着物の正しいたたみ方とは?必ず覚えておきたい基本の手順を解説

着物の正しいたたみ方をご存じでしょうか?着物は左右対称に縫ってつくられているため、必ず左右をぴったりと合わせてたたむことができます。

今回は、主な着物のたたみ方についてご紹介した上で、中でも使う場面が多い2つのたたみ方の手順をわかりやすく解説していきます。着物のたたみ方の基本を身につけて、大切な着物のしわや傷みを防ぎ、長く美しい状態を保ちましょう。

着物のたたみ方の種類

着物のたたみ方は一種類だけではありません。中でも多くの着物に使える基本のたたみ方を「本だたみ」といいますが、その他にも、着物の仮置きに便利な「袖だたみ」などがあります。

【着物のたたみ方の種類】

本だたみ(ほんだたみ) 女物、男物、単衣(ひとえ)、袷(あわせ)など多くの着物の正しいたたみ方
袖だたみ(そでだたみ) 着物を一時的に置いておくときなどに行う仮のたたみ方
夜着だたみ(よぎだたみ) 二枚重ねの長着や絵羽模様があしらわれた着物など、傷みやすい紋や模様が入っている着物のたたみ方
襦袢だたみ(じゅばんだたみ) 着物の下に着用する肌着である「襦袢」のたたみ方

今回は、着物のたたみ方の基礎を身につけていただくため、着物を扱うなら必ず覚えておきたい本だたみと袖だたみのやり方を解説します。

基本の「本だたみ」のやり方

女物、男物、単衣(ひとえ)、袷(あわせ)といった多くの着物に使える基本のたたみ方を「本だたみ」といいます。はじめに、袖が長い着物(振袖)を例にして正しい本だたみの手順を解説します。

<本ただみの手順>

①平らな場所に着物を広げて置く
②手前側の下前身頃を脇縫いに沿って折る
③衽線に沿っておくみを手前側に折り返す
④奥側の上前身頃を斜めに折り込み、左右の衿・衿先・衽線をぴったり合わせる
⑤衿を整えて内側に折り込む
⑥左右の脇縫いと袖を合わせ、背縫いに沿って半分に折りたたむ
⑦左袖を奥側に折り返して身頃に重ねる
⑧裾を肩山に合わせて身頃を半分に折り、左袖に重ねる
⑨左袖と身頃が重なった部分をつかんで持ち上げ、右袖を反対側に折りたたむ
⑩たとう紙の上で形を整え、包んでたんすに収納する

①平らな場所に着物を広げて置く

着物をたたむときは、周囲に物がなく、平らでできるだけゆとりがある場所を確保してください。ほこりや汚れの付着を防止するためにシートを敷くとなおよいです。

着物を裾にかけて大きく広げた状態で、肩が自分から見て左側になるように横向きに置きます。②手前側の下前身頃を脇縫いに沿って折る

自分から見て手前側にある下前身頃を、脇縫い(脇から裾にかけての縫い目)に沿って奥側に折ります。裏面を向けて広がっていた下前身頃の表面が見え、肩から一直線になるような形です。

③衽線に沿っておくみを手前側に折り返す

衽線(下前身頃とおくみの境になっている折り目)に沿って、おくみを手前側に折り返します。おくみの裏側が再び見える形となります。

④奥側の上前身頃を斜めに折り込み、左右の衿・衿先・衽線をぴったり合わせる

奥側に広がっている状態の上前身頃を斜め方向に折り込み、手前側に持ってきて左右の衿・衿先・衽線をぴったり合わせます。上半身部分の形は後から整えることができるので、まずは下半身部分をきれいに重ねてください。

⑤衿を整えて内側に折り込む

下半身から上半身にかけて全体の形を整えた後、首の裏にあたる折り目を谷として衿をたたんでください。首元部分の左右を合わせて内側に折り込む形となり、生地の裏面が見えなくなります。

⑥左右の脇縫いと袖を合わせ、背縫いに沿って半分に折りたたむ

着物の胸部分を谷として、奥側から手前側に大きく折りたたみます。背縫い(背筋部分の縫い目)に沿って半分に折り、左右の脇縫いと袖をぴったり合わせるのがポイントです。このとき、着物の中に空気が残っていると生地と生地の間に隙間が生まれてしまうため、軽い力で撫でるように空気を押し出してください。

⑦左袖を奥側に折り返して身頃に重ねる

重ね合わせた左袖を奥側に折り返し、身頃からはみ出ないように重ねます。袖の振り部分と脇縫いを合わせるときれいな形になります。

⑧裾を肩山に合わせて身頃を半分に折り、左袖に重ねる

下半身部分を持ち上げて反対方向に大きく折りたたみます。裾を肩山に合わせ、左袖を間にはさむ形で半分に折ってください。

袖が短い場合は折り目の位置に注意

訪問着などの袖が短い着物の場合、身頃の半分の位置で一緒に折ると中途半端な位置に折り目がついてしまうことがあります。身頃を折る前に、左袖を折り目に沿って前もってたたんでおくなど適宜調整してください。

⑨左袖と身頃が重なった部分をつかんで持ち上げ、右袖を反対側に折りたたむ

左袖をはさむ形で身頃を重ね合わせたら、身頃の手前側(右袖の根元部分)を両手でつかんで持ち上げます。自然と右袖が反対側にぱたんとたたまれたら完成です。

⑩たとう紙の上で形を整え、包んでたんすに収納する

たたみ終わった着物をたとう紙の上におろし、形を整えてください。紙の隙間から着物が見えてしまうことがないように全体を包んだら、型崩れに注意してたんすに収納します。

着物の仮置きに便利な「袖だたみ」のやり方

着物を収納する際の基本的なたたみ方である本だたみに対し、着物を短時間だけ置いておきたいときに便利な「袖だたみ」があります。着物を乱雑に置いておくと目立つ箇所にしわがついてしまう危険があるため、より簡易的なたたみ方も覚えておきましょう。

<袖だたみの手順>

①平らな場所に着物を広げて置く
②左右の袖、後身頃、脇縫いを合わせてたたむ
③袖をたたんで身頃に重ねる
④身頃を2回二つ折りする

①平らな場所に着物を広げて置く

本だたみと同様に、平らな場所に着物を広げて置きます。肩側が自分から見て左になるようにしてください。

②左右の袖、後身頃、脇縫いを合わせてたたむ

左右の袖口と袖山を合わせ、背縫いを谷にして半分に折りたたみます。左右の後身頃と脇縫いを重ねてください。

③袖をたたんで身頃に重ねる

重なった左右の袖を奥側に折り、肩山と袖山を合わせて身頃に重ねます。

④身頃を2回二つ折りする

裾と肩山を合わせて身頃を二つ折りにし、さらにもう半分に折ったら完成です。

着物のたたみ方や保管について知りたい方は会津若松市の呉服店「きもの大善屋」へ

着物の基本のたたみ方である「本だたみ」の手順は以下のとおりです。

<本ただみの手順>

①平らな場所に着物を広げて置く
②手前側の下前身頃を脇縫いに沿って折る
③衽線に沿っておくみを手前側に折り返す
④奥側の上前身頃を斜めに折り込み、左右の衿・衿先・衽線をぴったり合わせる
⑤衿を整えて内側に折り込む
⑥左右の脇縫いと袖を合わせ、背縫いに沿って半分に折りたたむ
⑦左袖を奥側に折り返して身頃に重ねる
⑧裾を肩山に合わせて身頃を半分に折り、左袖に重ねる
⑨左袖と身頃が重なった部分をつかんで持ち上げ、右袖を反対側に折りたたむ
⑩たとう紙の上で形を整え、包んでたんすに収納する

会津若松市の呉服店「きもの大善屋」では、晴れ着から普段着までさまざまな種類の着物の販売・レンタルを行っております。初心者の方には基本のたたみ方や保管の方法についても丁寧にお伝えいたしますので、着物にご興味をお持ちになったら、ぜひお気軽にお越しくださいませ。

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