お客様(ユーザー)の声から生まれた…新しい会津木綿のカタチ
大善屋呉服店は、カジュアル着物をメイン商品として扱っており、特に地元の伝統織物である「会津木綿」を“着物”で全国に広めるため、ネット販売や広報、イベント出展などの活動を行っています。
近年のカジュアル着物需要の増加で、天然繊維であり洗濯もでき、価格も安価な“木綿の着物”に注目が集まりました。特に会津木綿は、全国の木綿着物の中でも1、2位を争う安さと、都会的な色彩が人気となり県内外問わず需要が増加しています。
しかし、会津木綿着物の普及で、お客様から多く聞こえてきた2つの意見がありました。 一つは、会津木綿の特徴である“縞柄への抵抗”(縞柄の着物は合わせるのが難しい)こと、 もう一つは“木綿着物でも1点ものが着たい”(たとえ安価だろうと人とは違った着物が着たい)と いう声です。
着物ユーザーの意見を素直に受け止めたのと同時に、デザインなどの着る以前の問題がハードルとなり、会津木綿の着物の良さを伝えられないのが非常に遺憾であり、「“模様を入れた会津木綿の着物”を制作しよう」という思いに至りました。
制作のこだわりと難題
この度の模様入りの会津木綿を制作するに当たり、様々な難題がありました。特に大きなものは…
- 会津木綿の綿織物としての風合いを残すこと
- 縞柄の会津木綿は縞模様を壊さないように模様入れをすること
- どんな染料を用いて会津木綿を染めるか(普通の染料は生地が弾いてしまい、うまく染められない)
- 染はできれば日本の伝統技法を使うこと(プリントは容易だが仕上がりが安っぽくなってしまう)
- 染の加工にコストをかけ過ぎて、値段が高くなり過ぎないようにすること
上記の問題を解消するためにたどり着いたのが「摺(すり)型(かた)友禅(ゆうぜん)」(「摺り友禅」とも呼ぶ)という技法でした。
摺型友禅(すりかたゆうぜん)について
摺型友禅は、模様の彫られた型を生地に置き、刷毛を使って着物や帯などに模様を染める技法です。
型を使った染の技法は、柄を一つ一つ手で描く友禅染の技法と比べ手間がかからず、量産するのに適しています。
また、型の枚数を増やせば多色で染めることができ、色の濃淡で模様の立体感も出せるため、染め上げる模様に多様な変化と高級感を出すことができます。
私たちは京都に赴き、かねてから交流のあった摺型友禅作家 餅原 豊(もちはら ゆたか)先生に依頼し、デザイン問題(入れる模様の選定と模様を入れる場所)の相談と、会津木綿でも染められる特殊な染料を開発してもらい、この摺型友禅染会津木綿を完成させることができました。
二枚の型を使った2色摺りで、柄に奥行きがあります。 細かい柄なので、幅広い年代にお召し頂けます。
蒸気や雲が立ち昇る様子を表した伝統柄です。 粋な仕上がりになるので、男性にもオススメです!
何気に一番反応が良い柄です。平安時代にはすでに模様として 採用されていた古典柄で、長寿や 再生を表す吉祥文様でもあります。
華やかさとエレガントな雰囲気を併せ持つ花菱。 濃い地でも薄い地でも映える評判の良い柄です。
竹籠などの目を表したシンプルですが 味わい深い粋な柄です。 網目が六芒星に見えることから魔除けの 模様として古くから親しまれてきました。
摺型友禅染会津木綿 ご注文の流れ
注文受付
大善屋呉服店にお越し頂き、摺型友禅染会津木綿の注文をスタッフにお申し付け下さい
生地を選ぶ
お店にある会津木綿の生地からお好きなものを選んで下さい
模様を選ぶ
会津木綿に入れる模様(全5柄)からお好きなものを選び、模様の色を決めます。
仕上がりをお楽しみにお待ち下さい
ご希望の方は会津木綿生地や模様の色を選ぶ際に、専門スタッフがアドバイス致します。また会津木綿のご試着(生地を着物のかたちにします)も可能ですので、実際のお顔を映りもご覧いただけます。
※摺型友禅染会津木綿は大善屋呉服店の実店舗でのみ受け付けます。
※摺型友禅染会津木綿の現品もありますので、実物を見ながらご検討いただけます。(現品の購入も可能です。)
※商品代金のお支払いは、注文から30日以内にお願い致します。
納期について
- 生地の模様染めから行うため、オーダーから納品までに2ヵ月ほどお時間をいただきます。
(納期の詳細は注文の際にお伝えしますが、注文時の状況によって2ヵ月以上かかる場合もあります。) - お店にある現品を購入する場合は仕上がりまで1ヵ月ほどお時間をいただきます。
※注文から5日以内であればキャンセル及び色・柄の変更を承ります。(注文から6日以降のキャンセル・変更はできませんので予めご了承下さい。)