着物を着て出かける際、「アクセサリーは身につけても大丈夫なの?」と気になるかもしれません。そこで今回は、着物とアクセサリーの組み合わせは問題ないのか、どのような場所ではNGなのか、詳しく解説します。
また、アクセサリー別に身につける際のポイント・注意点も解説するので、着物と合わせる際は参考にしてみてください。着物はマナー・ルールに厳しい側面もあるため、正しい知識を頭に入れて、出先で困らないよう準備しましょう。
必要な知識を身につけておけば、マナー・ルールの範囲内で自分らしさが出せるコーディネートも目指せます。

着物×アクセサリーはマナーとしてNG?
着物にアクセサリーを合わせることはマナーとして問題ないのか、次項でOK・NGとなる線引きを解説します。
カジュアルな場ではOK
カジュアルなシーンにおいて、着物にアクセサリーを合わせることは問題ありません。たとえば、外出着や普段着など、日常的に着用する着物であれば、指輪やイヤリングなどのコーディネートを楽しめます。
カジュアルな着物・着用シーンの種類を見ていきましょう。
【カジュアルに該当する着物と着用シーン】
| 格式 | 着物の種類 | 着用シーン |
|---|---|---|
| 外出着 |
・小紋 |
・観劇 |
| 普段着・街着 |
・紬 |
・ちょっとした外出 |
上記のような着物・着用シーンであれば、着物とアクセサリーをカジュアルな感覚で楽しめます。ただし、周囲の人への配慮も大切なので、次項の注意点も頭に入れておきましょう。
同席する人への配慮を忘れない
ちょっとしたお茶会や食事会などカジュアルな場であっても、同席する人が不快に感じるアクセサリーは身につけないようにしましょう。伝統や風習を重んじる人であれば、着物とアクセサリーの組み合わせそのものにネガティブな印象を持ってしまうかもしれません。
マナーとは、同じ場所・時間を共有する人への思いやり・敬意を表す手段です。お互いが気持ちよく過ごせるよう、着用シーンと同席する人を考慮したうえで、着物とアクセサリーを合わせるべきか判断しましょう。
フォーマルな場では避けるべき
フォーマルな場においては、着物とアクセサリー(ネックレスやピアスなど)のコーディネートは避けたほうが無難です。以下のような着物・着用シーンにおいては、アクセサリーを身につけないようにしましょう。
【フォーマルな着物・着用シーン】
| 格式 | 着物の種類 | 着用シーン |
|---|---|---|
| 第一礼装 |
・打掛 |
・結婚式や披露宴(花嫁・ゲスト) |
| 準礼装 |
・色留袖 |
・結婚式や披露宴(ゲスト) |
格式高い場では、相応の着物を着用します。着物に合わせるアクセサリーは、基本的に帯締めや帯揚げ、髪飾りなど和装小物がスタンダードです。
正式にNGとされているわけではない
一般的な認識として、フォーマルな場における着物とアクセサリーの組み合わせはNGです。しかし、正式なマナー・ルールとして明確化されていません。
しかし、格式や風習、伝統を重んじる場では、着物への敬意を持つ人もいます。着物とアクセサリーの組み合わせに対し、無作法な印象を与えかねません。
「同席する人への配慮を忘れない」でも解説したとおり、大切なのは場と人への配慮です。品位を意識しつつ、正装を身にまとうことに注力しましょう。
NGとされる理由・背景
着物とアクセサリーの組み合わせがNGとされる理由は、古来より和装小物がアクセサリーとして扱われてきたためです。着物が日常的な衣服だった時代、アクセサリーとして扱われていたのは髪飾りや帯締めです。
ネックレスやブレスレット、ピアスなどは洋風のアクセサリーであり、着物に身につけるという習慣・認識がありませんでした。そのため、伝統的な着物と洋風のアクセサリーを合わせることに対し、抵抗感を持つ人もいるようです。
昨今では、こうした認識も緩和されつつありますが、フォーマルな場ではアクセサリーを身につけないほうが無難でしょう。
【アクセサリー別】着物に合わせるポイント・注意点
アクセサリーの種類別に、着物に合わせる際のポイント・注意点を解説します。これまで「基本的にフォーマルな場ではNG」と解説してきましたが、種類・デザインによっては許容されるアクセサリーもあります。
こうした線引きも含め、着物とアクセサリーを合わせるポイント・注意点について見ていきましょう。
指輪
指輪は、カジュアル・フォーマルどちらでも許容されるアクセサリーです。ただし、派手な装飾が施された指輪は避けてください。
着物に引っかかり、傷つける恐れがあります。なるべく平たいデザインの指輪や結婚指輪などに留めましょう。
ネックレス
着物とネックレスの組み合わせは避けましょう。ネックレスは首元を飾るアクセサリーですが、着物では首元に装飾品をつけません。
着物の場合、半衿や伊達衿など、首~胸元を華やかに見せる仕立て方があります。ネックレスを身につけると、見た目が派手になり過ぎるでしょう。カジュアル・フォーマルどちらの場においても、ネックレスは避けたほうが無難です。
ピアス・イヤリング
ピアス・イヤリングは、カジュアルな場で着用しましょう。小粒のピアス・イヤリングは、着物の雰囲気を邪魔することもなく、相性の良い組み合わせです。一方、サイズが大きく、装飾の派手なタイプは、着こなしの邪魔になるリスクがあります。
また、冠婚葬祭などフォーマルな場においては、着物とピアス・イヤリングの組み合わせは避けてください。周囲に無作法な印象を与える恐れがあります。
腕時計
腕時計は、訪問着や付け下げを着用できるセミフォーマルな場(お茶会や食事会など)で身につけましょう。本来、着物の袖口には何もないほうが美しく見えます。そのため、可能であれば細見の目立ちにくいデザインが好ましいでしょう。
また、腕時計は「時間を気にしている」という意味を持ちます。結婚式や披露宴など、主役を祝う席では避けるべきアクセサリーです。
帯留め
帯留めは和装小物ですが、礼装(留袖など)にはつけません。帯留めとは、帯締め(帯を固定する紐)と一緒に使われるアクセサリーです。基本的には、カジュアルな場(パーティやお祭りなど)や同年代が集まる成人式で使われます。
訪問着のような準礼装の場合、ヒスイやエメラルドなど格式を意識した高級感ある帯留めを使いましょう。和装のアクセサリーではあるものの、TPOを意識してデザインを選ぶ必要があります。
根付
根付も帯留めと同じ和装小物ですが、基本的に礼装とは合わせません。根付とは、帯からぶら下がる和装用のアクセサリーで、着物をコーディネートするために使われます。
あくまでもカジュアルな装飾品としての扱いなので、フォーマルな場には適していません。気軽なお茶会や食事会など、格式を意識しない場で身につけましょう。
ネイル
カジュアルな場であれば、着物とネイルの組み合わせは問題ありません。着物の色・デザインをベースに、ネイルを合わせるコーディネートが楽しめます。たとえば、ホワイトネイルやグラデーションネイルなどは、年齢に関係なく、着物との相性がいいデザインです。
ただし、結婚式や七五三などフォーマルな場においては、ネイルが目立つ派手な色・デザインは避けてください。トップコートや白のフレンチネイルなど、無難なデザインに留めましょう。
とくに結婚式や披露宴は、主役である新郎新婦の格を上回らない、派手にしない、といたルール・マナーがあります。TPOに考慮して、着物とのバランスを取れるデザインほうが、その場に応じたルール・マナーを守れます。
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着物とアクセサリーの組み合わせは、基本的にカジュアルシーンであれば問題ありません。どのようなアクセサリーも、自分好みにコーディネートできるでしょう。
ただし、フォーマルシーンにおいては、TPOや周囲への配慮を意識する必要があります。さらに、派手なアクセサリーは着物を傷つけるリスクもあるので、可能な限りシンプルなデザインを選びましょう。
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