着物と振袖に違いはあるの?初心者必見の基礎知識を解説

成人式や結婚式などへ参加・参列する際、「着物と振袖は何が違うの?」と疑問に思う人もいるでしょう。そこで今回は、着物と振袖の違いについて、それぞれの定義・特徴を解説します。

着物・振袖の種類についても解説するので、「どの服装でどこに出向けるのか」なども理解していきましょう。着付けに必要なものも含め、着物・振袖への理解を深めておけば、迷うことなく必要なものをそろえられます。

「手持ちの着物で問題ないか」「当日までに何を準備すべきか」など、着物・振袖に関して必要な知識を頭に入れていきましょう。

着物と振袖の違いとは?定義や特徴について

着物と振袖の違いについて、それぞれの定義や特徴を解説します。

着物の定義・特徴

着物とは、日本に古くから伝わる伝統的な服装を指します。たとえば、浴衣や訪問着、振袖なども着物として扱われます。

イメージとしては、「TPOに合わせて種類が変わるもの」が着物です。夏のお祭りには浴衣、フォーマルな服装が求められる場所では訪問着など、着物はTPOに合わせて着用すべき種類が変わります。

振袖の定義・特徴

前述したとおり、振袖は着物の一種です。他の着物との違いについて、振袖の特徴から見ていきましょう。

<振袖の特徴>

  • 袖が長い(85㎝以上)
  • 華やかなデザインが多い
  • 成人式や結婚式などで着用する
  • 主に未婚かつ若い女性が着用する

厳格な決まりはありませんが、振袖は若い女性の特別な場(成人式など)で着用する着物として定着しました。そのため、振袖には華やかな絵柄が描かれており、広げると一枚絵のようになる「絵羽模様」がデザインされています。

もちろん、未婚・既婚の有無に関わらず、着用しても問題ありません。あくまでも、若い女性の第一礼服として扱われる着物です。

また、袖が長い理由には諸説あるものの、一説では厄を祓うためとされています。「振る」という動作は厄を祓う、神に祈るなどの意味があり、長い袖は「厄払いを目的としていた」という説です。

着物と振袖の種類

目的に応じて適切に着用できるよう、着物と振袖の種類について解説します。着用シーンも含めて解説するので、着物・振袖を着て出かける際は参考にしてみてください。

着物の種類と着用シーン

着物の主な種類は次のとおりです。

【着物の種類】

着物の種類 特徴 着用シーン
訪問着 ・フォーマルな着物
・生地全体に柄がある
・家紋も入れられる
・お茶席やお呼ばれの席
・結婚式やパーティー
黒留袖 ・格式高い正装
・5つの家紋が付く
・主に既婚女性が着用
・結婚式(新郎新婦の母や祖母など)
・宮中行事
色留袖 ・礼装・準礼装の着物
・地色が黒以外
・結婚式(親族として)
・パーティーやお茶席
色無地 ・無地の着物
・家紋を付けられる
・お葬式
・お茶席
付け下げ

・訪問着に準じる格の高さ
・模様は控えめ
・未既婚問わず着用

・式典
・お茶席や観劇
小紋 ・カジュアルな着物
・小さな柄があしらわれている
・買い物やお出かけ
・お茶席
浴衣 ・カジュアルな着物
・夏でも涼しい素材
・夏のイベント(お祭りや花火大会)

上記のとおり、着物は種類によってデザインが異なり、着用シーンにも差があります。TPOに合わせて着用できるよう、それぞれの特徴を把握しておきましょう。

振袖の種類と着用シーン

振袖には以下の3種類があります。

<振袖の種類>

  • 大振袖:最も格式が高い振袖
  • 中振袖:大振袖に次いで格式が高いものの、着用シーンの幅は広い
  • 小振袖:他の種類よりもカジュアルに着こなせる

次項から、それぞれの着用シーンや特徴について詳しく解説します。

大振袖

大振袖は振袖の中で最も格式が高く、花嫁や舞妓さんの衣装として着用されます。主な特徴は、袖丈が104~120㎝(主に114㎝)あることです。引き振袖とも呼ばれ、床に引きずるほど袖が長く作られています。

華やかな刺繍や柄、色彩が施され、長い袖と組み合わさることにより豪華な印象があります。成人式にも着用できますが、自分の身長など見た目のバランスを考慮することが大切です。

中振袖

中振袖は、成人式や結婚式(参列)、お祝いの場などで着用する振袖です。袖の長さは100㎝ほどあり、着用するとふくらはぎ~足首くらいまで袖が伸びています。

大振袖の次に格式高い振袖ですが、派手さを抑えた上品なデザインです。そのため、大振袖よりも着用できるシーンの幅は広いでしょう。

小振袖

小振袖は、袖の長さが約85㎝と他の振袖より短く、ラフな感覚で着用できます。たとえば、パーティーやお茶会など、フォーマルな衣装が求められるイベントです。大振袖・中振袖では格が高すぎるシーンで重宝するでしょう。

また、小振袖の特徴は、その可愛らしい見た目です。小振袖は袖が短く、軽やかな印象があります。袴との相性が良いため、組み合わせるとレトロな可愛らしい見た目に仕上がるでしょう。

動きやすい振袖なので、卒業式で着用されるケースも多いです。

振袖(着物)の着付けに必要なもの

振袖の着付けに必要なものについて、基本的なパーツと着付け用の小物にわけて解説します。前述してきたとおり、振袖は着物の一種なので、他の着物の購入・着用を検討する方も参考にしてみてください。

着付け(着すがた)に必要なもの

着付け(着すがた)に必要なものは次のとおりです。

<必要なもの>

  • 長襦袢(ながじゅばん):振袖の下に着るもの(肌着とは異なる)
  • 半衿:長襦袢に取り付ける衿
  • 袋帯 :背中部分の生地が2重に重なる帯(フォーマルな場所向けの帯)
  • 重衿(伊達衿):振袖と長襦袢の間に入る飾りのような衿
  • 帯締:帯の真ん中あたりで結ぶ紐
  • 帯揚:帯枕(背中に作る帯結びの土台)を隠す飾り

上記は振袖を着用した際、周囲からも見えるものです。成人式などおめでたい日は、汚したりなくしたりしないよう注意してください。

着付け用の小物類

振袖の着付けに必要な小物類を見ていきましょう。

<必要な小物類>

  • 肌襦袢(はだじゅばん):振袖用の下着
  • 衿芯:衿の形をきれいに見せる芯
  • 足袋:着物用の靴下
  • 腰紐 :着崩れしないよう結ぶ紐
  • 伊達締め:腰紐を安定させるもの
  • 帯枕:帯結びの土台となり、ボリュームを支えるもの
  • 前板:帯の土台となり、帯にハリが出る
  • 後板:帯の後ろ側を整える板
  • 三重紐:振袖専用で、帯の飾り結びをより豪華に仕立てる
  • ショール:防寒を目的に、首回りに巻く(成人式など)
  • 着物(和装)ストッキング:防寒を目的とした着物用のストッキング
  • 補正パッド:身体の凹凸をなくすための補正用パッド

上記のとおり、振袖の着付けには数十種の小物が必要です。着付け屋さんなど、着物をレンタルしている業者であれば、小物も含めて一式借りられます。

着物・振袖の購入・着付けをお考えの方は会津若松市の呉服店「きもの大善屋」まで

振袖は着物の一種であり、着物は伝統的な服装の総称です。振袖を含め、着物はTPOに応じた多種多様な種類があります。

結婚式やパーティー、お茶会など場面に応じて適切な種類の着物を着用しましょう。詳しくは「着物と振袖の種類」でも解説しているので、参考にしてみてください。

着物や振袖の購入・着付けをご検討される方は、ぜひ「きもの大善屋」へご来店ください。当店は「和の再発見」をテーマに、初心者から愛好家の方までご満足いただける着物をご用意しております。

無料の着付け、着付け教室なども開催しているので、着付けの方法がわからない方も歓迎しております。

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